シミがたくさんあった着物を再利用。着物で礼装用の長襦袢が出来ました。
古くなって大量のシミがついた着物。でも、とても大切にしていたものだからどうにかしたい、というご要望をいただき制作した事例です。
かなりの広範囲に、カビによる変色・汗が長い間をかけてシミになってしまったもの・食事がはねたように思われるシミなど、様々な種類のシミが混在している状態でした。
もちろん、当初は着物クリーニングでのご相談でして、汚れを落として着物としてお召しになりたいというご希望でしたので、しみ抜きのテストを施したのちに、洗い張りを併用したしみ抜きで御見積りをする予定でした。しかし、なかなかの高額となりますので、ちょっとこのままの提案では満足いただけないかもしれないという思いで、別の提案をさせて頂きました。
たしかに大量のシミはあるものの、元々の生地がしっかりとした無地の着物でしたので、脱色しても生地が傷みにくいのではないかという事から、礼装用の長襦袢に作り変えるご提案させていただきました。
お客様に二つのプランのご説明をさせて頂いたのですが、どうせなら綺麗に頻度高く使えるようにするためにという事で、洗い張りではなく、脱色による礼装用の長襦袢の制作をさせて頂く事になりました。
出来上がりは、当初あったシミもきれいに見えなくなり、シャキッとした白の素敵な長襦袢が出来上がりました。正直、この生地質で長襦袢を誂えようとすると高額になりますので、脱色して制作した長襦袢はとってもリーズナブルだったと思います。
この事例ように、着れなくなった着物でも形を変えて活用する事もできます。出来るだけご要望に沿ったご提案を心がけておりますので、お困りごとがありましたら、何でもまずは相談して頂ければと思います。