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洗い張り | 着物のクリーニング

着物の洗い張りとは?

洗い張りとは、着物を解き反物の状態に戻してから専用の刷毛で水や汚れに適した溶剤を用いて洗う手法です。特に汗や雨シミ、泥はねなどの水性の汚れに効果的で、昭和の中頃までは各家庭で行われ、汚れの質にもよりますが、1年に1回~3年に1回ぐらいの頻度で行われていたと言われております。

この洗い張りは、絹の性質にとても馴染みがよく、絹が持つ本来の光沢や染料を鮮やかに蘇らせる効果もあり、長期間保管したままの着物などは洗い張りをする事で絹本来の輝きを取り戻すと言われております。
このためか、最近増えているお母さんの振袖の活用(ママ振袖)をされる方や着物をコートや帯に仕立て替えたりする場合にご利用される方が増えております。また、洗い張りはカビ等によって変色し生地を硬質化させた頑固な汚れやシミ等にも効果的で、水性以外のシミの場合などは、シミの性質に合わせてしみ抜きやカビ取りと併用してご利用頂くようになります。

こんな方におススメです

・お母さんの振袖を活用される場合
・着物のサイズを変更したい場合
・着物を別のモノ(帯やコートやお子様用の被布など)に生まれ変わらせたい場合
・長期間の保管によって生地がくすんでいる場合
・着物全体にシミやカビが付着している場合

着物の縫い糸は、着物生地と同様に着ていなくても劣化します。その為、数十年しまい込んだままの着物を着用する際に、縫い糸部分から裂けてしまい破れてしまう事もありますので、長期保管された着物を活用する場合には、洗い張りを活用されるとより良い状態で着物を着ていただけると思います。

よくあるご質問|着物の洗い張り編

Q:洗い張りを行う為には、洗い張りの料金だけで良いのですか?
A:洗い張りは、着物を一旦解いてから行う作業になりますので、その後着物やコート等にする為の仕立て代などが別途必要になってきます。

Q:着物全体に茶色い斑点が出ているのですがどうしたら良いですか?
A:具体的には着物を拝見させて頂いてからになりますが、洗い張りとしみ抜きを併用すれば綺麗になるのではないかと思います。

Q:お母さんとお嬢さんの身長が15cm違うのですが、仕立て替えできますか?
A:身長差が15cmであれば、しっかりとした採寸が必要になりますが、過去の経験上概ね大丈夫だと思います。また、お嬢さんの身長が高い場合、縫い込んだ生地と表面に出ていた生地に色の差が出ている場合がありますので、一度洗い張りをして生地の状態を整える事をおススメします。この際に、生地についている型なども取れてくれますので、大丈夫だと思います。

Q:着物を解かずに水で洗うような事は出来ないのですが?
A:最近では技術が進み、解かずに水洗いする方法も出てきているようですが、これまでは縫い糸、着物、裏地などの伸縮率の違いから解かずに水につけた場合、型崩れを起こしてしまう為、行っていませんでした。

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着物の洗い張りクリーニングの工程

① 解き端縫い

洗い張りを行う前に、着物を反物の状態に戻す必要がありますので、着物を全て解き、反物の状態にするために生地を縫い合わせる端縫いが必要になります。
着物の寸法などが確定していない場合などは、洗い張り後に、この端縫いの状態でお戻しして寸法や活用方法が決まってから縫い上げる事も可能です。

洗い

端縫いされた反物上のモノを型崩れしないように、二人一組で洗っております。
洗い方は、水にさらした生地を順々に送りながら、専用の刷毛と溶剤で生地を丁寧に洗っていきます。また、シミ抜きを併用して行う場合は、熱によってシミが落ちにくくなるのを避ける為、洗い張り後の湯のし作業に行く前に、シミ抜きを行い、再度洗い張りを行うようにしております。

水分の除去

洗い張りをされた反物を吸引機のついたローラーに乗せ生地にしみこんでいる水分を除去していきます。この時には、一切熱を加えませんので、シミ抜きを併用されている場合でもシミの定着をさけ処置しやすい状態にできるようにしております。

④ 日陰で自然乾燥

洗浄後、着物の汚れが取れているかをチェックした上で、乾燥室にて、直射日光を避け自然乾燥していきます。また、この際に適度に風を当てる事でクリーニング特有の匂い等も除去するようにしております。

④ 湯のし

生地は水に通す事で、幅や丈が縮んでしまいますので、専用の機会にて生地を整形し元の形に戻していきます。

⑤ 仕上げ

お仕立や、その後の保管に適した状態にするために、生地を仕上げていきます。
絹の繊維は、水分や熱によって縮む可能性がございますので、直接アイロンをあてることはせず、蒸気の吹きかけと吸引を同時に行いながら次回お召し頂いた際に気持ちよくお召し頂けるよう随所を確認しながら手仕上げで作業を行っていきます。
※お仕立が必要な場合、ここからご希望の形に仕立てを行っていきます。(仕立て代が別途必要)
※仕立てが必要ない場合は、端縫いされた反物の状態でお戻し致します。

⑥ 梱包・ご納品

移動中の水気を避ける為にたとう紙をビニールの袋でくるみ、移動中に着物がズレてシワにならないようにボールで挟み動かないように固定して梱包致します。
また、今回行った処置ないようについては、着物カルテ(処置内容などを記したメモ)を同封致しますので次回のお手入れまで保管して頂ければと思います。
※訪問や店頭での受け渡す場合は新しいたとう紙に入れた状態でお返しいたします。

着物の洗い張りクリーニングの価格表

種類 単衣
着物関連 留袖 14,000
留袖(比翼付) 16,000
振袖 14,000
訪問着 12,400 8,600
附下 12,400 8,600
小紋 11,400 8,600
11,400 8,600
ウール 6,000
喪服 12,000 8,600
帯関連 袋帯 8,200
名古屋帯 8,200
羽織・コート関連 雨コート 8,600
羽織 8,600
裏地関連 衿裏
居敷当
胴裏
八掛
帯芯
襦袢関連 振袖長襦袢 8,600
長襦袢 8,600
男物長襦袢(解きのし) 8,600
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洗い張り | 着物のクリーニング
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