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着物のしみ抜き シミが付いた場合はどうしたら良いの?

長年タンスにしまったままにしていてできたシミやお出かけした先で付いたシミ等、着物のシミは様々な所で付いてしまいます。また、洋服と違い着物となるとシミが出来るとどのように対応して良いか分からず、もう着られないかもしれないと悩んでいる方も多くいらっしゃると思います。今回はそんなしみ抜きについてご紹介をしたいと思います。

シミが付いてしまった時、目の前のおしぼりでは絶対に拭かないで下さい。

一言でシミといっても、食べこぼしで出来たシミや口紅などが付いたシミ等、様々あります。

例えば、結婚式を例にとるとシミの種類も様々です。食べこぼしで出来たシミやワインをこぼしてしまったシミ、赤ちゃんのよだれが付いてしまった等々、シミが出来てしまう原因は様々です。そして、このようなシミが出来てしまった場合、目の前にあるおしぼりでその汚れを拭きとろうとしてしまいます・・・。その結果、生地が擦れて汚れが落ちにくくなったり、シミの範囲が広がってしまったりします。また、皆さんがご存知のシミへの対処ですが、ついてしまったシミを叩いて出すや水で濡らして落とす等様々ありますが、多くの場合それをしてしまった結果、状態を悪くしてしまう方が多くいらっしゃいます。それはシミには種類があり、その種類によって対処法が異なるからです。

シミの種類について

まずはシミにはどんな種類があるかをご説明いたします。

●油性のシミ

口紅・香水・ファンデーション・化粧水・クレンジングオイル等 化粧品のシミ
ペン・インク・朱肉等 文房具のシミ
ソースやマヨネーズ等 食物のシミ

●水溶性のシミ

ワインのシミ・コーヒーのシミ・お抹茶のシミ等 飲料のシミ
しょうゆ等 調味料のシミ
汗じみ

●タンパク質系のシミ

生理等の血液シミや母乳のシミ、赤ちゃんのよだれ等

●不溶性のシミ

泥などの固形物が混じったシミ

上記に該当しないシミで水でも油でも溶けないシミ 

●劣化による変色

汗の成分の残留・カビによる酸化・シルクの酸化等により生地が黄変化したもの

以上が大まかなではありますがシミの種類になります。

シミへの対処について

上記で説明したシミの種類に合わせて行うお手入れの方法をご説明します。

油性のシミ

油は水をはじきますので、不用意に水で拭いてしまったりすると汚れが深くまで入って行ってしまったりします。また、一時は見えなくなったように見えているそのシミが後から浮かび上がってくる事もあります。油性のシミには、油分を分解する油溶性洗剤を用いてしみ抜きを行います。こちらは丸洗いにも使われる溶剤ですので、簡単な油性の汚れであれば丸洗いである程度は綺麗になると思います。それ以上の状態になると1カ所1カ所手作業でしみ抜きを行っていきます。

水性のシミ

良くお話するのが汗は丸洗いで落ちませんというお話です。先程油性の所で書いたように丸洗いは油溶性溶剤を使いますので水溶性溶剤では落ちません。しかし、皮脂などは油溶性で落ちますので水溶性溶剤を用いて行う汗抜きの作業などがおススメです。またワインやお抹茶等、染織されたようになる変色については、無理に漂白しようとすると生地の地色まで抜けてしまう可能性がありますのでご自宅では行わない方が良いと思います。

その他のシミ

油溶性溶剤・水溶性溶剤で落ちないシミについては漂白などを含めしみ抜きを行っていきます。また色が抜けた部分については染色の補正が必要になってきます。

経年の劣化で黄変してしまったシミも同様です。しかし生地の酸化が激しく漂白や染色に耐えられない場合は難しい場合もありますので、ご相談頂ければと思います。

シミが出来た場合はどうしたら良いの?

シミが出来た場合は、無理にご自身で対処されずに、着物専門のクリーニングを扱っているお店が悉皆屋にご相談するのが良いと思います。

シミは扱い方次第で、状況を悪化させてしまうケースもあります。

中には非常に上手にご自身でしみ抜きをされる方もいらっしゃいますが、やはり長年の経験で分量を調整しながら行うのは難しいという風に言われます。

特に古いシミや黄変などについては高い技術が必要になりますので説明と合わせて事前に見積を出してくれる店を選ぶのが良いと思います。

これは、振袖のクリーニングやお宮参りのクリーニング等についても同様ですが見積がないまま進んでしまうと実際にいくらかかるのか分からずお手入れが終了後に高額な費用を請求されたケースを伺う事もあります。

そのようにならない為にも事前に相談をしっかりでき、また見積金額が確定した後にお手入れを行う店を選ぶ方が良いと思います。また、七五三や振袖のクリーニングの場合、シミ抜き以外にも寸法の直し等も依頼できるお店もありますので、その後の事も考えたお店選びも重要だと思います。

最後に

弊社へもクリーニング屋さんが落とせなかったシミのご相談や振袖のクリーニングと仕立て替えの依頼等様々なご依頼を頂きますが、全般的に対応して頂く相談できるお店を見つけるのが着物を楽しく着ていく為には重要なポイントだと思います。

ちなみに弊社の場合ですと、県外や例えば東京などの遠隔地のお客様はLINE等でやりとりを行いながら対応をさせて頂いておりますので、何かご用命の場合は是非よろしくお願いします。

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