結婚式のコーディネートを決める前に知っておきたい事
晴れやかな場に相応しいコーディネートをしていくのは楽しみでもあり、また大人のたしなみとしても重要なポイントだと思います。今回はご親戚やご友人・同僚の結婚式に着物で参列される方の着物選びについてまとめてみました。
結婚式のコーディネートはみんないつ頃から考え始めるの?
ご親戚が結婚される場合やご友人や同僚の方の場合で差があるかと思いますが着用前の点検やコーディネートのご相談でお越しになる方々は、だいたい半年から3ヶ月前ぐらいまでにはお越しになられます。お仕事の都合等でギリギリになって持ってこられる方もいらっしゃいますが、遅くとも1カ月前までにはされていた方が安心して結婚式を迎えられると思います。
着物を選んだ方の理由は?
お祖母様やお母様の場合は概ね黒留袖を着るものだという感覚でご相談に見える事が多いのですが、それ以外の皆さまは以下のような理由で着物をきる事を選ばれているようです。
ご友人や同僚の場合
・せっかくの機会なので普段とは違うイメージも良いかなと思って
・年相応なお洒落として、またちゃんと見えるようにしたかったから
・タンスに入ったままの着物があってもったいなかったから
・昔から着てみたいと思っていたから
親族の場合(姉妹・従妹・叔母等)
・親戚がみんな着物を着るというから
・振袖をそのままにしておくのがもったいないから
・洋服が似合わないと感じたから
・1回しか着ない洋服を買うよりはそちらの方が良いと思ったから
ちなみに、別の統計で日本人女性の85%は「着物を着てみたい」と思っているというものもあり、この機会に着てみようかなという方も多いようです。また近年、断捨離ブームなどもあり捨てるに捨てられないタンスの中に入ったままの着物に対する意識が芽生えてきているようで、それをどうにか活用したかったというご意見も来店される方からは伺います。
レンタル・購入・タンスの中に眠ったままの着物を引継ぐのはどれが良いの?
着物を着ようと思われたきっかけにもあったように「もったいない」という感覚で決められる方は多くいらっしゃいますが、この機会に自分の着物をという風にご相談に来られる方もおおくいらっしゃいます。またレンタルをするという選択肢もあると思いおますので、それぞれのメリットとデメリットを簡単に整理しました。
レンタル
◎メリット
・平均的に購入するよりも安くすむ
・当日の着付などがセットになっていて手間がかからない
・着用後のクリーニングなどのお手入れが不要
・ご自宅での保管を心配しなくてよい
×デメリット
・身長が150㎝以下、170㎝以上などの選択肢が少ない
・サイズが平均値で算出されている為、ぴったりのサイズではない場合がある
・上質な着物と比べると品質が落ちる
保管やお手入れなどの心配がない手軽さとは引き換えに、品質やサイズ感に満足いかない場合があるようです。サイズ感については、最近オーダーレンタル(ご自身の寸法で仕立ててくれるサービス)も出てきているようです。
購入
◎メリット
・その他の機会でも着る事ができる
・高級感のある品質のものを選ぶことができる
・ご自身のものとなるので将来お子様などに引き継ぐ事ができる
・ぴったりのサイズに仕立てる事ができる
・身長が150㎝以下、170㎝以上などの方でも自由に選ぶ事ができる
×デメリット
・着用後のお手入れに費用がかかる
・保管場所を確保しなければならない
・品質が良いものになると高額になる
デメリットの方に記載させて頂いた「高額」という点ですが、最近では平均的にレンタル価格が上昇し、購入価格が下がってきている為、レンタル相当の価格で購入することもできるようになってきていると言われております。また、何度も着る事が出来るという事で様々な場所で着る機会を持っている方も多くいらっしゃるようです。
タンスの中に眠ったままの着物を引継ぐ
◎メリット
・持っている着物を使うので、サイズ変更もなく汚れていない場合は0円で済む
・代々受け継ぐことで親子やお祖母様と想い出を共有する事ができる
・購入同様に何度でも着用することができる
・購入同様にレンタル品より質が高い
×デメリット
・クリーニングなどのお手入れが必要
・サイズ変更やしみ抜きが必要だった場合費用が発生する
お直し代が掛かる場合でも、レンタルや購入と比べると随分安く済む場合が多いようです。また、小物や帯などを変える事でお母様のものを引き継ぎつつ、自分自身の着こなしも楽しめるので良いという声も多く聞きます。
レンタル・購入・タンスの中に眠る着物の活用はどれくらいの比率?
地域差はあると思いますが、レンタルが出始めた当初は、レンタルの割合が非常に多くなっていましたが、現在ではレンタルが2~3割、購入が2割~3割、タンスの中の着物の活用が4割になっているようです。レンタルの減少については、タンスの中の着物の活用が増えているのが影響しているように感じていますが、購入については殆どが購入していた時代を考えると下がってはいます。購入者の方達からはせっかくだから自分らしいものを1着ぐらいもっていても良いかな?と思って購入を決められたという声を頂いたり、これを機会に着物や和文化を学びたいという方もいらっしゃいます。
レンタル・購入・タンスの中に眠る着物の活用 費用の相場はどれくらい?
こちらも地域差があるかと思いますが、費用の相場としては、レンタルが5万~10万、高いものですと30万~50万するものもあります。購入については、ピンからキリまでありますが50万円ぐらいの予算で検討を始められる方が多いです。また、タンスの中の着物の活用をされる方は1万~10万程度となっています。ちなみに、洋服を購入される場合は、洋服だけに留まらずバッグや靴などもという事で相場はだいたい10万円前後ぐらいにはなっているようですので、タンスの中の着物を活用する方達は、洋服よりも少し安いお値段で結婚式の衣装をご準備されているようになります。
以上のような状況になっているようです。
結婚式という機会にイメージチェンジを考えたり、新たな自分へのチャレンジをされたり、タンスの中に眠る着物を活用してみようと動かれたりと機会を活かそうとされる方は年々増加しているように感じます。これも「コト消費」の一環なのかもしれませんが、せっかくの機会を着物を準備するという「コト」に目を向けて進めていくとご自身にとっても楽しい機会になるのではないかと思います。