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着物のクリーニングをする会社の選び方

着物のクリーニングと一言で言っても、ショッピングモールの中の呉服屋さん、近所のクリーニング屋さん、老舗の呉服屋さん、着物しみ抜き専門と書いてある所など、様々な選択肢があります。また、インターネットを検索すると「呉服屋さんは知識がないので止めた方がよい」

「しみ抜き専門と書いてあっても只の仲介業だからやめた方が良い・・・」
「ショッピングモールだと信用できない・・・」

などなど、様々な意見が出てきます。
これには、各社考え方があり、様々な方法でお客様へアピールをされているので、呉服屋さんだからダメ、シミ抜き専門と書いてあってもダメなところはある、街のクリーニング屋さんだからダメというのは一概には言い切れないと思います。

もう、そうなってくるといよいよ何処を選べばよいかが難しくなってくると思いますので、これはあくまで、呉服屋と着物加工業を営む私なりに考えた結果をお届けしたいと思います

Q:一概には言えない場合、何で判断をするのか?

A:それは、電話での対応だと思います。電話はマニュアル化してしまえば、どこも一緒じゃないか?と思われるかもしれませんが、着物の洗いという点で行くと様々な事象があるので、お電話口で様々な質問を投げかけた際に的確に答えてくれるかという点があると思います。

例えば、以下のような質問を投げかけてみて下さい。

Q:汗をたくさん書いたので、丸洗いをしたいのですが

この場合に「丸洗い」で受けるのか?それとも違う処置方法を提案されるのか?というのが一つの分かれ道だと思います。一般的に知識があるお店に対しては簡単な質問だと思いますので

その点を尋ねられると良いと思います。

Q:下洗いも込みで丸洗いをお願いしたいのですが?

こちらについては、下洗いという言葉をそもそも知っているのか?というのが分かれ道だと思います。これも先程と同様に知識があるお店であれば簡単な質問だと思います。

Q:3カ所ぐらいにシミがあるのですが、だいたいお幾らぐらいかかりますか?

費用についても、これまでの経験上どれくらいで出来るのか?というのを的確に答えて頂くのも分かれ道の一つだと思います。ちなみにここで親切なお店ですと、何のシミですか?やどれくらいの大きさですか?等細かなヒアリングをして頂き、おおよその金額と共に実際に見せて頂くと正確なお見積りをお出しできる旨を伝えて頂けると思います。

例えば、三カ所ぐらいで10円玉ぐらいのシミが合った場合ですと、弊社の場合は3,000円~5,000円程度となりますので、そのような説明をさせて頂きながら、詳しい話を伺いつつ、着物を実際に見せて頂き見積をする機会を調整させて頂くと思います。

ここまでの質問にちゃんとお答えいただくお店は自社で作業を行っている如何に関わらずちゃんとした教育がなされており的確な処置をして頂ける可能性が高いと思います。

更に詳しく知りたい場合は・・・

Q:長い間そのままにしていたシミは落とせますか?

弊社の場合ですと、絶対大丈夫です!というのは控えております。もちろんこれまでの経験上古いシミも多く取り扱ってきておりますし、中には100年以上前の着物も取り扱った経験もあるので、技術的には自信をもっておりますが、こればかりは見てみない事にはわからないというのが本音です。

というように、実際に見てみない事にはわからない事が多いというのが正直な所なので店頭や訪問した際に、更に詳しく聞いてみるというのが良いと思います。

実際に見せながら「そのお店の事を知る」という観点で考えると・・・

具体的な処置方法やその処置にかかる費用は基よりお客様のご予算や次回の着用予定等も尋ねながら、処置していくポイントを整理していくようなお店ですとより良いという風に考え弊社ではそのような対応を心がけております。

というのも、全ての処置を完璧に行おうとした場合の費用は高額になる場合があります。その場合、見えない所のシミでこれ以上広がる可能性が低い所を高いお金を出してまで処置したくないと言われるお客様等もいらっしゃいますので、そのような要望等も尋ねつつ話を進めたり、或は着物を着せるという観点でこちらは見えなくなる部分である事も説明しつつ出来るだけ高額にならないようにする方がお客様にとっては選ぶ自由が出るので良いのではないかと考えているからです。

最後に

最後に「着物というのは分からない事が多い」とよく言われますが、それは今回のようなお店を選ぶ際に、細かな説明しながらお客様に選択肢を伝えるお店が少ない性だと思っています。

もちろん結果的に分からないから良きようにしておいて下さいと言われる方もいらっしゃいますが、選択肢をお伝えする事でお客様自身が着物を選んでいくという行為こそが、そのものを知っていく近道だと思います。

そして、その選択肢を伝えながら着物を好きになって頂くプロセスを一緒に踏んでくれる「良き相談者」になってくれるような店を選ばれるのをお勧めします。

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