【業界裏話】振袖はカタログで選んだ方がよいの?
成人式が近づくと、どこで調べたのかというくらいの量の振袖のカタログが届きます。大量に届くカタログに焦ってしまい、本来思っていたものとは違うものを選んでしまったという声を聞く事も少なくはありません。ちなみに、弊社は振袖カタログを取り扱っていませんが、その理由なども含めて、今回は振袖カタログについて裏話も含めて振袖カタログを見る際の基礎知識ご紹介したいと思います。
振袖カタログってどんなもの?
振袖メーカーが契約している呉服屋さん向けに発行している、呉服屋さんが発注する為の通販カタログです。そしてカタログを取り扱っている呉服屋さんはそのカタログの中から好みの商品を取り寄せたり、カタログ商品の振袖展示会などを開催しお客様に好みの振袖を選んで頂くという仕組みになっています。また、掲載されている振袖は芸能人や著名人がデザインした振袖や例年の売れ筋傾向を分析した新作振袖を読者モデルやご本人に来て頂き撮影されているのでお客様にとってはファッション誌感覚で見て頂けるカタログになっていると思います。しかし、掲載されている商品は大量に生産されているものが主流になっているので、趣味趣向が似た仲良しのお友達がいる場合、同一店舗で購入をしていなくても同じ商品を着る可能性があるという事になります。
同じものなら安く購入できるってことですか?
カタログ製作費に多くの費用が掛かるので、安く購入できるかというとそういうわけではないと言われております。具体的にいうと、一冊のカタログを制作する為には、モデルの費用・撮影費用・ロケーション費・カメラマン等の人件費・印刷費・発送費等、様々な経費がかかります。また、このカタログは対象者ではあるものの、お母さんの振袖を着ようと思っている方など振袖を検討されていない方へも送付される傾向にありますし、同様のカタログが別店舗からも届く事を考えると対象者以上のコストがかかっていると言えると思います。販売経費にいくらかかっているかは各店舗の考えもあるので一概には言えませんが、例えば30万円で売っている振袖に、経費を加算して40万円で販売しているという事になっていくと思われます。
振袖展示会の案内なども届きますが、それも同じですか?
カタログ通販商品をまとめた振袖展示会という括りで考えると、同様だと思います。しかし弊社のように独自に産地と繋がり商品を仕入れている企業等も振袖展示会を開催したりしているので振袖展示会が全般的に同様の状態かというと違うと思います。ちなみに、この考え方でいくと自社外の催事場、例えばホテルなど行われているお食事付の展示会や浴衣等のプレゼント付き展示会もカタログ販売と同様の事が言えると思います。
振袖カタログはダメなのですか?
決して振袖カタログが悪いわけではありません。むしろ、大量生産に向けて、どの方にも合うようにとデザインを工夫されたり生地を吟味されたりしているので、価格のランクに応じて商品の品質は担保されていると思います。また、有名人や著名人と共にデザインを考案したものもありますので、デザインされた有名人の方が大好きな方にとっては、その価値はプライスレスと言っても良いと思います。その点を考えると、ご購入やレンタルを検討される上で費用に加算されている点や同じものを着ている可能性がある事を差し引いても、その商品が良いと思える方であれば、それは店舗に行って振袖を選んでいる事と大差はないと思います。
振袖カタログを見に行くお店をどういう風に選ぶか?
呉服屋さん=高い・勧誘が凄い・入ると帰れない・・・等、様々なイメージを持たれている方もいらっしゃると思います。
そんな中、自分は失敗したくないという風に考えるとお店選びというのは非常に重要になってきます。しかし、この店舗をどのように見分けるのかについては非常に難しい問題です。強いてあげるとすれば、過去どのような方達がその店舗を利用されているのか?というのをホームページやSNS、ご近所の方に確認されるのが良いと思います。また、費用面で考えるとご契約時に様々な特典を付けている企業もありますので、その特典も比較対象になると思います。そして素敵な成人式を迎える為に肝心な着付やヘアメイク、撮影などのアフターフォローがしっかりとしているかという点や、その後のクリーニングの相談にもちゃんと乗って頂けるのか?なども重要なポイントになると思います。この点については、振袖以外のサービスで、どのようなものを取り扱っているかをみていくと、その店舗が持っているノウハウなどが分かると思います。
まとめ
年頃になると大量に送られてくる振袖カタログの事が少しはご理解頂けましたでしょうか?
ちなみに、弊社がカタログを取り扱っていないのは、他社さんが多く取り扱っているカタログで戦っていても差別化が図れないので、弊社好みの振袖を振袖のメーカーさんから独自の視点で仕入たり、振袖の制作をしているからです。また、自社のカタログを作ろうとしても、先程のように多額の費用が掛かってしまいますし、この仕入の仕組みのままだと売れてしまうと穴だらけのカタログが出来上がってしまうからです。このように、各社が自社の視点を持ち一人でも多くの皆さまに振袖を着た時の良い思い出を作って貰えればという思いで企業努力を続けておりますので、先程のような視点を持ちお客様のスタンスに合う「呉服屋」が見つけられると良いかと思います。