カビ取り | 着物のクリーニング
着物のカビ取りクリーニングとは?
カビの菌はどんな環境でも常に空気中に浮遊していると言われており、気温が25度から30度湿度が70%以上の場合、ほこりや汚れなどを栄養分にして、どんどん繁殖していくと言われております。その為、しつけをつけたままの着物やタンスにしまったままの着物にもカビが生える事があります。
また、そのカビをそのままにしておくと、着物の変色や生地の劣化を招いてしまう恐れがありますし、他の着物への影響も出てくると言われていますので、カビが生えてしまった着物はなるべく早めにお手入れをする必要があります。この時に、丸洗いを勧められる事があるという風に伺ったことがありますが、丸洗いではカビは落ちませんので、必ずカビ取りを依頼するようにして下さい。
こんな時に「カビ取り」がおススメ
・着物に白い斑点がある場合
・カビが茶色く変色している場合(染色補正の作業も合わせて必要になる場合があります)
・着物が粉を拭いたように見える場合
着ていない着物もカビが生える可能性があります。未仕立の反物などにもカビが生える可能性がございますので、タンスにしまったままの着物は風を通しや虫干しなどを行い、その際に点検するようにして下さい。
よくあるご質問|着物のカビ取りクリーニング編
Q:カビは自分で拭きとれば大丈夫ですか?
A:拭き取って見えなくなれば、大丈夫かと思いますが心配な時は点検をさせていただければと思います。また、カビを拭き取る際には、空気中にカビ菌を散布してしまう可能性がございますので、外で行われた方が良いと思います。
Q:見た目にはカビが生えているように見えないのですが、かび臭いような気がするのですが?
A:帯の芯や、裏地の内側にカビが発生している場合は表から見えない場合があります。その場合は、気づいた時には一気にカビが生えている可能性がありますので、カビ取りの相談をされた方が良いと思います。
Q:たとう紙が茶色く変色しているのですが
A:たとう紙自体に、カビがついて変色していると思います。このような場合は、着物を外の日陰で虫干しを行い、湿気を飛ばした方が良いと思います。陰干し後に、かび臭さが取れていれば着物や帯までカビがいっていないと思いますので、新しいたとう紙に交換だけでよいと思います。
Q:着物の裏地が全体的に茶色くなっているのですが治りますか?
A:茶色い変色はカビが原因の場合もあれば、その他の原因で起こる場合もありますが、裏地などの取り換えや漂白作業によって綺麗に治す事ができますので、ご安心ください。
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※その他のご質問に対してもお答えしておりますのでお気軽にお問合せ下さい
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カビ取りの作業工程
事前点検にてカビ取りの処置が適当だと判断された場合に以下のような工程で作業を進めさせて頂きます。
① 除去作業
カビもしみ抜き同様に発生している状態や概ねの経過年数、範囲や深度によって処置方法を変えながら作業をしていきますので、まずはカビがどのような状態にあるかをチェックするところから始めます。そして、カビの状態に合わせてクリーニングソープや専用の溶剤、水などを使いながらブラシなどの刷毛を使い手作業で除去していきます。また、カビが全体的に広がっている場合は、ドライマシーンで全体的なカビを除去し、それでも取れていない箇所については、再度手作業によって、上記と同じ要領にてカビ取りを行っていきます。
② 日陰で自然乾燥
下洗い・ドライマシーンでの洗浄後、着物の汚れが取れているかをチェックした上で、乾燥室にて、直射日光を避け自然乾燥していきます。また、この際に適度に風を当てる事でクリーニング特有の匂い等も除去するようにしております。
③ プレス仕上げ
絹の繊維は、水分や熱によって縮む可能性がございますので、直接アイロンをあてることはせず、蒸気の吹きかけと吸引を同時に行いながら次回お召し頂いた際に気持ちよくお召し頂けるよう随所を確認しながら手仕上げで作業を行っていきます。
また、洗い上がりには新しいたとう紙に交換しますので、その後の保管時の吸湿性も保持することが出来ます。
④ 梱包・ご納品
移動中の水気を避ける為にたとう紙をビニールの袋でくるみ、移動中に着物がズレてシワにならないようにボールで挟み動かないように固定して梱包致します。
また、今回行った処置ないようについては、着物カルテ(処置内容などを記したメモ)を同封致しますので次回のお手入れまで保管して頂ければと思います。
※訪問や店頭での受け渡す場合は新しいたとう紙に入れた状態でお返しいたします。
着物のカビ取りクリーニングの価格表
参考箇所 | 参考価格 |
1カ所(3cm×3cm程度) | 500円〜 |
衿・袖口・裾など | 4,000 |
上記は参考価格となりますのでお預かりしたお召し物を確認させて頂いた上で御見積をさせて頂きます。 |